SDGsまちづくりプロジェクトin錦二丁目キックオフセミナー 「SDGsでえがくまちと企業の未来」レポート

日時:2021年6月9日水曜日18:00-19:40 

主催:なごや環境大学

会場:zoom 

 


なごや環境大学SDGs未来創造クラブのまちづくりプロジェクトのキックオフセミナーが開催されました。

錦二丁目をモデル区として活動し、地域住民、企業、大学、行政などの様々な立場の方が200名ほど参加しました。

 

プログラム

1 はじめに

2 講演「SDGs経営とは?今企業ができること!」

  株式会社武田工業所取締役曽根香奈子氏

3 事例紹介

・「錦二丁目とまちづくりプロジェクトについて」

   錦二丁目エリアマネジメント株式会社代表取締役名畑恵氏

・「名駅ナナちゃんオーガピッツを着る」

   豊島株式会社執行役員/営業企画室長溝口豊久氏

4 ディスカッション

   「SDGsとまちづくりについて」

パネリスト:名畑氏、溝口氏、

      堀田氏(錦二丁目まちづくり協議会会長)

      尾上氏(名古屋市)

ファシリテーター:千頭聡氏なごや環境大学アドバイザリーボード・SDGs未来創造クラブまちづくりプロジェクトチームリーダー・日本福祉大学特任教授)

5 錦二丁目における今後のSDGs活動紹介

   ① NISHIKI-2SDGs映画祭鈴木氏(スターキャット)

   ② SDGsマルシェ山田卓哉氏(大ナゴヤ大学)

   ③ 「SDGsまちづくり協働事業in錦二丁目」名畑恵氏

    (錦二丁目エリアマネジメント会社)

6おわりに

 

 

1.はじめに

「SDGsまちづくりプロジェクトin錦二丁目」は名古屋市の都心部の錦二丁目をモデル地区にして、地域住民、企業、大学、行政などの様々な方が参加しました。半年間にわたり、地域の課題解決やSDGs達成を目標に事業展開を行うワークショップをしました。

その成果を受けて、2020年11月に道路を活用したSDGsマルシェを行いました。

マルシェではSDGsを体感できるようなものとなりました。

このプロジェクトは、民間企業の方々の協力を必須とするため、より多くの企業の皆様がSDGsについて知っていただくことや、取り組むためのヒントを共有できれば良いと思います。

また当セミナーが、SDGsに取り組むことによって広がる新たな可能性を考えていきたいと思います。(千頭氏)

 

 

2 基調講演

「SDGs経営とは?今企業ができること!」

     株式会社武田工業所取締役曽根香奈子氏

家業の武田工業所の取締役を兼ねながら2020年12月に一般社団法人SDGs designを設立し、企業に向けたSDGs研修や経営への取り組み方などのコンサルタント、SDGsに取り組む企業とSDGsに興味のある学生のマッチングイベントなど持続可能な社会の実現に向け、企業、新社会人の支援を行っている曽根加奈子氏をお招きし、企業においてSDGs活動を取り組むことにより得られる効果についてお話を伺いました。

武田工業所の取り組み例

武田工業所の取り組み例

①自社の活動の中にSDGsの視点を入れ、貢献度を見える化する!

⇒SDGsが企業の評価基準になる。

②ボトムアップの勉強会

各部署のリーダーによる勉強会を開き、必ずミーティングの時には今17項目の何を話題としているのか意識し共有する

⇒会議の数も増えコミュニケーションを取る機会を増えた。

SDGsに取り組んでいる会社への所属意識も高まった。

③女性管理者育成とやりがいモチベーションアップ

管理体制やルールの明確化が生まれた

女性雇用率があがった(0%から36%) 

男性しかできなかったラインが女性でも回せるようになった

離職率も5%から減少した。特に女性の定着率は良い。

SDGsを取り入れる効果

 SDGsは自社他社からの共通項目と企業自体の価値を底上げする

優秀な人材確保できる

企業価値の向上

社員がやりがいを持ち会社への所属意識が高まる⇒離職率の低下

 

 

3.事例紹介

1. 「錦二丁目とまちづくりプロジェクトについて」錦二丁目エリアマネジメント(株)名畑恵氏

名古屋城城下町の中心地・グランドクラスとしての気概を持つ錦二丁目において地域主導のまちづくり

をされている錦二丁目エリアマネジメント会社名畑氏によりこのまちで行われているまちづくり、SDGsプロジェクトの取り組みについてお話を伺いました

錦二丁目は、名古屋駅と愛知県美術館の間+名古屋城と美術館の間に位置します。

 

<地域主導のまちづくり~十人十色のまちづくり~>

*主産業の衰退に伴うまちの停滞を経て、2000年ごろからお祭り企画や、エリアリノベーションが起きました。

*2008年ごろ~:構想づくり・うごきづくりを生み出す

*2011年:住民のワークショップを積み上げてまちづくり構想が生まれました。

*2018年3月:錦二丁目エリアマンマネジメント会社設立

町内の店舗従業員やアーティスト、コンサルまで多様な人によって構成。

地域を支え、人と人をつなぐ存在を目指します。

*現在:再開発とエリアマネジメントの拠点づくりが行われています。

 

<錦二丁目とSDGs・SDGsプロジェクトの狙い>

*錦二丁目まちづくり構想(2011-2030)作成

構想には、安心居住・元気経済・共生文化ということが柱に掲げられております。

SDGsが有名になるよりも前に地域の持続性を柱としていたためSDGsとの親和性も高いです。

*SDGs宣言の作成

名古屋市の低炭素モデル地区でもある錦二丁目では独自のSDGs宣言を作りました。

当宣言は、地域内外の企業とも連携したものになります。錦での活動を名古屋市に伝え、名古屋市から全国に波及することを目指して活動しております。

少しでも多くの方のご参加をお待ちしております。

*SDGsワークショップの開催

企業や地元住民を交えたワークショップを重ねてまいりました。

発案内容を実現するため、ショーケース化も試みました

ワークショップの様子:コロナ禍であったため、オンラインと対面を交えながら行いました。

 

*みちにわSDGsマルシェ

錦二丁目内の道(みち)を庭(にわ)にみたてて、交流を生み出すマルシェを11/27、28の2日間開催しました。

道路を広場のようにして使うこともとても大きな社会実験の一つでした。

 

 

*SDGsまちづくりプロジェクト報告会

グループごとに行ってきた半年間の取り組みの報告会をしました。

「やりっぱなし」ではなく、持続的なものにするためのものです。

発案例

「まちまるごとSDGs体験」として、16街区の構造とSDGs17項目を掛け合わせ、まち丸ごとでSDGsを体験する。

 

Green&(学生団体)と一緒に、生ゴミで土壌を作るコンポストキットを実験的に行いました。

ワークショップ終了後、クラウドファンディングを行い、商品化に持ち込みました

 

詳しくはSDGsまちづくりプロジェクトin 錦二丁目報告書をご覧ください。

報告書のPDFはこちらから

https://www.n-kd.jp/blog/esdprj/wp-content/uploads/2021/04/pj2104-machizukuri.pdf 

 

2021年錦二丁目SDGsまちづくりプロジェクト

<協働企業・協働事業の募集>

昨年度のアイディアを主体的に実行していくため、主体の公募を始めております。

なごや環境大学のホームページにて応募内容を掲載しております。

詳しくはなごや環境大学のホームページhttps://www.n-kd.jp/information/をご覧ください

 

<協働事業>
*SDGs Weeks Nishiki2 

16ブロックのまちが2週間、SDGs色になります!

協賛広告、場所のご提供も募集しています

 

*コミュニティステーションの設置

SDGsまちづくりプロジェクトの一環として、錦二丁目地区内の民地及び公共空間に誰もが居心地よく滞在でき、かつ地域課題や環境・社会課題解決につながる機能を有したミニステーションを設置予定

省エネ型照明地産材の利用、グリーンインフラ(防災・暑熱)、防災備蓄などを有した施設など

地域課題を解決しながらSDGsに資するような技術を社会実験的に実現していくものです。

 

*みちにわマルシェの開催

私たちはマルシェにて、新しい生活暮らしの可能性を体感しました。

今年は、規模も少し広げ、皆様の発表の場ともなることを目指します。

出店者を大募集中です

 

2.「名駅ナナちゃんオーガビッツを着る」豊島株式会社取締役員営業企画室長溝口氏

豊島株式会社取締役員営業企画室長溝口氏より、豊島株式会社のSDGsプロジェクトを紹介していただきました。

オーガニックコットンプロジェクト『オーガビッツ』

オーガビッツとは、「オーガニックコットンを通じて少しずつ地球に良いことを始めよう」ということを意味しています。

アート集団『ヘラルボニー』との共演~名駅ナナちゃん人形48回目誕生祭にて~

障害者アート集団の『ヘラルボニー』とライセンス契約を結びました。『ヘラルボニー』の作品はどれもファッション性の高いものばかりです。団員の方自身がデザインしたものです。

寄付活動

・子ども服ズーラシアとコラボして、寄付金をNPOに寄付する活動

・海やアマゾンの森を守るプロジェクト

・滝川クリステルさんと一緒に動物の殺処分をなくすプロジェクトなど

サステナブル+ファッション+アートで作るSDGs 

豊島は、普段からサステナブル素材を扱います。その中にファッションブランド様のファッションとアートとの要素をとりいれ、まちづくりに繋がっていくと考えます。

 

4.ディスカッション

話者:名畑氏・溝口氏・堀田氏・尾上

ファシリテーター:千頭

千頭:錦二丁目でSDGsに取り組もうとされているきっかけは何でしょうか。

堀田:時代変遷のなかで衰退した錦にとって、SDGsという共通言語は、まちの新たな柱となったことでしょうか。

千頭:SDGsを社内で使う場面は増えましたか?また、企業の場合、トップダウンでの側面も大事だと思いますが、ボトムアップで出てくるための仕掛けはありますか?

溝口:特にこの一年で、SDGsを社内で使う場面は増えた。社内でもSDGsチームや宣言をまとめる活動が生まれた。SDGs推進している企業と認めていただくと、社員も喜び、モチベーションが上がる。

千頭:社員の方の働きがいにつながっているのですね。SDGsの概念はとても広いですよね。雑談の中などの個人レベルで感じることはありますか?

溝口:素晴らしい視点ですね。社員には、SDGsを心からしたいという者と、ビジネスチャンスにしている者に分かれます。私は両方あってもいいと思います。“SDGs”という言葉は、ビジネス上でも当たり前の言葉になりましたね。時流を象徴する言葉だと思います。SDGsを会話のテーマにしていることも驚きですよね。

千頭:まさに皆さんの共通言語になってきているのですね。ありがとうございます。

では、尾上さん、行政の中でSDGsはどのような感じでしょうか。

尾上:環境局としては、先導的に他局と協力しつつ、仕掛けようとしております。

千頭:ありがとうございます。

では、名畑さん、先ほど堀田さんから錦二丁目はもともと繊維のまちで出発点が同じだから議論

が始めやすかったとのお話がありました。確かにその通りかとは思います。とはいえ、錦二丁目はいろいろな変化をしていると思います。生まれた変化、生まれそうな変化をご紹介いただければと思います。

名畑:錦のことを「自分のまちである」と感じる人が多様化しました。一番嬉しいことです。このまちに対して誇りを持つ人が少しずつ増えているのではないでしょうか。

また、なごや環境大学さんなどのお手伝いをいただきながら、企業の仲間も増えました。住民だけでは解決できない課題も沢山あります。都心でもありますから、仲間が増えることは非常に重要です。

千頭:なるほど。社内と同様に、まちでも個々人がSDGsに関わっていることやまちに対する誇りを持

つことは大事ですね。共通認識を持つことは重要です。

では、企業の皆さんはどのような活動をされているのでしょうか。溝口さん、SDGsという多様な考え方を社員に広げていく方法などはございますか?

溝口:ファッションはSDGsを実現しやすいのかなと思いました。一般企業の場合、SDGsが総務のすること・人事課がするものと思うと、営業の方は心が離れてしまうでしょう。その点、ファッションの場合には環境に良い素材を卸すことで、SDGsに関わることができます。ですので、本業の本丸のところでSDGsに社員が関わることができるのです。

千頭:本業のところでは大事ですね。堀田さんは、SDGsが地域のキーワードになったと感じますか。

堀田:錦では勉強会を開いています。勉強会で学んだことを個人として出席した社員の方に各企業へ持ち帰っていただくようになりました。錦二丁目で働く人に対する広報活動には力を入れています。たとえば、名畑は、自分たちの機関紙を地域の社会復帰事業者などに配布しているのです。

千頭:なるほど。色んなところで取り組みがありますね。企業と企業がある地域は関係が薄いと思います。企業が地域において実装化できる方法の話は何かありますでしょうか。

名畑:アイディアを実装化するためには、実験できる環境を整えることが重要です。錦二丁目の地域力は社会実験の場として適していることです。当地域の場合、多くの課題を抱えているため、SDGsを単なるポーズで片付けることはできません。SDGs活動によって実りある結果を得ることを目指しています。

町内にシアターを構えるスターキャットさんからは、「SDGsのワークショップに参加しているけれども、感動がないのだよね。」と教えていただきました。感動を伝えることをお仕事としている方から企画提案を頂いたのです。昨年のワークショップを経て、多くのグループから実現可能なアイディアを頂きました。受け皿として、地域と連携する企業のプラットフォームを作りました。昨年設立したN2/Labというものです。私どもは、ひたすらお手伝いをしたいなと思っています。

Q:錦二丁目における財源はどこから来ているのか?

尾上:まちづくりプロジェクト、クラブは内閣府の地方創生交付金で行っております。環境保全だけでなく、地方創生ということで地域活性化に対して内閣府からいただいています。

千頭:市町村が手を挙げて審査を受けて交付金がつく仕組みですね。審査が厳しいそうですね。

パネリストによる参加者に対するコメント

名畑:里山のような温かい都市づくりを、SDGsを通して行っていきたいと思います。ぜひ皆さん、ご一緒ください。

溝口:ここ数年でSDGsの認知度は高まりました。今日お聞きしている学生の方々が世に出る時には、SDGsが当たり前となっているので、頑張って欲しいですし、私自身頑張ろうと思いました。

尾上:私自身、環境局で環境保全のことを10年近くやってまいりました。行政の力だけでは太刀打ち

できません。SDGsも同様です。市民や市民団体、NPOのステークホルダーの皆さんが集まって対応して取り組んでいくことが大事なのかなと思います。いろんなところで取り組みをしていくことが大事かなと思っております。引き続き、様々な方とSDGsの取り組みを続けてまいりたいと思います。

千頭:企業が取り組むことで社員の心構えも変わる。SDGs活動は、自分自身の意味づけにも繋がるのかもしれません。地域では、色んな人が増え、自身のまちとして思うようになったというお話がありました。

企業内だけではなく、退社後もSDGsに取り組むようになると良いですね。「自分、我が社」としてできることを探していただければ、全体として多様な取り組みが湧き上がってくるのかなと思いました。今日、参加していただいた皆さんにも自分の地域や我が社に置き換えて考えていかれたらなと思います。

 

5.錦二丁目における今後のSDGs活動紹介

① NISHIKI-2SDGs映画祭(鈴木氏)

伏見ミリオン座を中心にして映画で学ぶSDGsとして映画とSDGsをつなげるトークイベントです。

名駅から栄までのエリアで計画しており、錦二丁目だけでなく、地域内外の力を合わせて行いたいと思います。

ミリオン座では、ムヒカという貧しい国の大統領の話から始まり、宇宙でも育てることができる食材などの話をイベントという形でご提供したいと思います。

② SDGsマルシェ(山田氏)

SDGsマルシェは、SDGsに馴染みのない人も気軽に参加できるイベントです。今年も開きますのでぜひよろしくお願いいたします。

③ 「SDGsまちづくり協働事業in錦二丁目」(名畑氏)

まちの課題解決アイディアを企画化する取り組みになります。

皆様の事業開発に向けて少しの予算をつけることができます。ぜひ、提案いただければと思います。地域のメンバーとなごや環境大学のプロジェクトメンバーで審査を行い、選定させていただきます。詳細はなごや環境大学のホームページにありますので、ご応募を検討していただければと思います。

https://www.n-kd.jp/information/20210608.html

 

6おわりに(千頭氏)

皆様方からのアイディアをできるだけ多く取り入れながら、我々も試行錯誤しながら地域を変えていきたいと思います。少しでも関心があれば、協働事業へもご参加ください。

 

 

ご参加ありがとうございました